売上成長の背景には商品数の拡充、そこからの学びとこれからの展望:TENTIAL商品開発裏側
こんにちは!
株式会社TENTIALでプロダクト推進部の部長を務める相川です。
今日は、先日出したnoteの後編を書いていきます。 ここからは実際にTENTIALが歩んできた軌跡を、私の実体験も交えながらご紹介できればと思います。
これまで
インソールからスタート
TENTIALブランドのファーストプロダクトはインソールでした。もともとメディア事業を運営していた中で、日本人の多くが足に課題を持っていることがわかりました。そこで、スポーツ用ではなく、日常生活で足の痛みや肩こり腰痛を軽減することが期待できるインソールを開発いたしました。このインソールを使用することにより、指先、指の付け根、かかとの3点でバランスをとることができ、体の重心を適切な位置に戻し、正しい姿勢で疲れづらい体づくりをサポートすることができます。インソールというと注目度があまり高くない商品かもしれませんが、1つの商品でだれのどんな靴にも入れることができるため、ファーストプロダクトとしては良い選択だったなと思っています。
マスクバブルで急成長
コロナが本格化し始めた2020年6月には、世の中全体でマスクの供給が追い付いていない中で「TENTIAL MASK」をリリースいたしました。めまぐるしく変わる社会情勢に対して高い感度でアンテナをはり、高速で商品企画、開発ができたことにより他社よりも早いタイミングでローンチすることができ、この年の売上拡大に大きく貢献することができました。
BAKUNEのヒット
インソール、マスクと商品展開をしてきた中で私たちが次に向き合った課題は「睡眠」でした。日本は睡眠時間の平均が7時間台となっており、過去20年間にわたり減少を続けており(参考)、OECD加盟国30か国中最下位と、社会的な問題になっていることはご存じの通りかと思います。通常、睡眠の質を上げるために何かを変えようと思う場合、枕やマットレスなど寝具に目が行きがちです。しかし、睡眠時に身体に直接触れる重要なアイテムにもかかわらず、パジャマは学生時代のジャージを着ている、という人が大半でした。当時はまだリカバリーウェアというワードは聞きなじみがなく、検索ボリュームも今の1/10程度だったので、競合ブランドも少なく私たちのようなスタートアップでも十分に戦っていけると考え市場に参入していきました。
また、BAKUNEの成功にはもう一つ重要なポイントがあります。それは季節性、嗜好性があり買い替えや洗い替えが発生しやすく、LTVを引き上げやすいということです。実際にBAKUNEのスウェットを購入いただいたお客様は、多くの確率で夏用を買っていただいたり、洗い替え用で追加購入をしていただいたりしています。最初体験いただくプロダクトの満足度が高いことがクロスセルにつながりやすいということを、身をもって体感できました。
SKU数がグロースのドライバーに
BAKUNEが販売されて間もなくTENTIALに入社をしたのですが、まず初めに取り組んだことはSKU数の拡大です。BAKUNEが徐々にお客様に支持をいただけるようになってから、お客様の睡眠に対しての課題の大きさを身をもって実感したこともあり、まずはSLEEPカテゴリーの中で商品を増やしていく意思決定をしました。BAKUNEと同じ素材を使用したアイマスクや腹巻といった睡眠時のアクセサリー、また、枕や抱き枕、シーツなどといった寝装具にも商品展開を拡大していきました。当時、商品開発のメンバーは私含めて3人(1人は執行役員だったので、実務は実質2人)しかおらず、その中で年間20品番を超える新規プロダクトの開発を行っていました。商品の精度より何よりもスピードと数を重視して進めていたこともあり、計画通りに売れる商品よりも、売れない商品の方が多く、商品開発担当としては非常に苦しい時期でした。しかし、スピード重視でSKUを量産していくことをやめずに継続できた背景には、AnkerJapan猿渡さんの「1+1は2にならずとも1.5にはなる」という言葉をいただけたことが大きかったです。(猿渡さんはTENTIALの社外取締役を担っていただいています)事実、毎月のように新しいプロダクトがローンチがされ、ミルフィーユ状に売上自体は積みあがっていきましたし、自分で企画した商品がたくさん世の中に出ていくこと自体は幸せなことだったので、辛いながらも楽しんで仕事をしていた記憶があります。
その後、商品開発チームも現在では5名体制となり、SLEEPカテゴリーの商品だけでなく、Footカテゴリーのメインプロダクトになっている「リカバリーサンダル」や、MIGARUというリカバリー機能のあるワークウェア、姿勢補正機能のある「Body Care Inner」など数多くのプロダクトを世の中に提供することができています。
これから
上述した通り、SKU数をKPIとしてひたすら商品を企画・開発してきたわけですが、現在はそういうわけではありません。一定の成功と失敗を経験してきている中で、私たちの中にもナレッジが溜まってきているため、スピードは追いながらも精度の高い商品企画、開発をしていくことが求められてきています。R&Dチームとの連携も然りで、開発過程において我々が想定している効果が得られそうかということを社内で簡易的に試験できるようになってきているので、私たちも自信をもって商品開発を進めていくことができます。商品開発の経験があるメンバーが増えたこともあり、新規プロダクトの開発数は維持しながら、質と量を担保する商品開発体制を実現できています。
またカテゴリーで考えた時には、BAKUNEで実績を牽引できているSLEEPカテゴリーと、まだカテゴリーを引っ張れるプロダクトが出来上がっていないFOOT、WORKカテゴリーでもフェーズが違ってきているため、それぞれフェーズに合わせた商品開発をしていく必要があります。
BAKUNEをNO1リカバリーウェアブランドに
SLEEPカテゴリーにおいては、まずはBAKUNEをNO1リカバリーウェアブランドに育て上げていくことを全社のミッションとして位置付けています。そのために商品開発チームが担っているのは大きく二つです。一つ目は既存商品、特により多くのお客様から支持をいただいている王道商品のアップデートです。先述したように、リカバリーウェアは季節性や嗜好性もあることに加え、ギフトの需要も非常に高い商品カテゴリーです。そのため、まず最初に購入いただく可能性の高い王道商品の商品満足度を高めることが、F2転換率を引き上げ結果としてLTVが上がっていくことに大きく寄与します。お客様との距離が近いからこそ、お客様の声をダイレクトに聞くことができ、CSチームもすべて内製化しているためVOCの回収もスピード感をもってできる強みをいかしていきます。二つ目は取り切れていないニーズの穴を埋めに行くということです。素材感や形状、天然繊維か化学繊維か、ボタンか被りかなど、より多くのお客様にBAKUNEを届けられる可能性を広げるためにバケツの穴を塞げるような商品構成を付加していきます。
第二、第三のBAKUNEを生み出す
FOOT、WORKカテゴリーにおいてはカテゴリーのグロースドライバーになりうる商品を生み出すことに注力をしていきます。簡単に言うとPMFできるようなヒット商品を生み出すということなのですが、それが簡単にできているのなら苦労はしないですよね(笑)。ただ、今までのナレッジや、TENTIALの強み弱みを踏まえたうえで成功の方程式が見えてきていることは事実です。とはいえ10打数10安打という訳にはいかないので、まずは複数プロダクトをミニマムロットで生産を行いテストマーケを行い、その中からカテゴリーを牽引するプロダクトを作り上げていくことがこのフェーズでのミッションです。
最後に
改めて過去を振り返りながらつらつらと書いてみましたが、入社当初と今とでは、フェーズも規模も求められるものも全く違っていて、同じ会社にいるはずなのに違う会社に転職したかのような感じがします。個人的にも非常にいい経験ができていて嬉しい限りです。
これからもミッション達成のために、世の中に求められているものを作り続けていくことが私たちの使命です。それだけは今も昔も全く変わっていません。今後さらに認知を広げ、社会に影響を与えられる存在になっていくためにはまだまだ人数が足りません。自分をストレッチさせてくれる、チャレンジングな環境で一緒に戦っていける仲間を探しております。
興味があればどんな職種の方でもカジュアルにお話しさせていただければ幸いです!ちょっとでも気になった方はお気軽にご連絡ください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!