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「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」商品開発の裏側とは?【前編】

こんにちは、株式会社TENTIALでプロダクト推進部の部長を務めています相川です。
当社は2018年2月に創業し、今年で6期目を迎えております。私が参画した2年前は20名程度の小さなベンチャー企業だったのですが、今では約70名まで従業員も増えて今でも組織が拡大し続けています。
別にこれといった節目のタイミングではないのですが、商品開発を担ってきた立場からスタートアップでの働き方や、TENTIALブランドの商品開発の裏側やそこにまつわる喜怒哀楽をお伝えできればと思います。
今後スタートアップへの転職や、ブランディング、商品企画開発などのキャリアで刺激を求めている方にとって少しでも参考になれば幸いです。


このnoteについて

当社は「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」というミッションを掲げ、主たる事業としてウェルネスブランドTENTIALを運営しています。今でこそテレビやメディアでも取り上げていただく機会が増えてきて、少しずつ会社やブランドの認知も広がってきていると感じることがありますが、ここにくるまでにいろいろなことがありました。
いろいろなことがあったので、今回は2回に分けてnoteを書いていきます。

  • 前編:TENTIALの商品開発とは

  • 後編:TENTIALの商品開発のこれまでとこれから

少しだけ自己紹介

少しだけ私自身の紹介をさせてください。TENTIALに入社するまでの10年間は、新卒で入社したスポーツ系の企業(一部上場)で働いていました。そこで店舗営業、人事採用、中国出向、MD、バイヤーなどに従事しておりました。業界内でも1,2位を争う会社で影響力があったこともあり、一定整備された教育システムの中で学ぶ機会をいただけましたし、会社の看板に助けられたこともたくさんありました。一方で、典型的なトップダウン型のマネジメントや、目的が明確になっていない無駄な会議が横行しているなど、旧態依然な体質も肌身をもって経験してきました。
そんな中でTENTIALという会社に出会い入社をするわけなのですが、ここについては長くなるのでまた別の機会にお話しさせてください。
TENTIALに入社して早々驚いたことが大きく3つありました。
1つ目は社長をはじめ役員の方々含めて若くて優秀なメンバーが多いということ。前職で新卒採用をやっていたこともあり同じ尺度で見てしまっていたこともあるのですが、同じ年齢でもこれほど仕事に対してのスタンスに違いがあるのかと、本当に驚きました。
2つ目はデジタル領域に対しての習熟度です。特にデータを活用した分析や、デジタルマーケの強さやスピード感は昭和の会社に在籍していた私からするとすべてが新しく、大きな刺激を受けたことを覚えています。
3つ目はスピード感です。当たり前ではあるのですが、社長や役員が常に同じ空間にいるような状態であったため、意思決定のスピード感や、とりあえずやってみようというトライ&エラーの精神は今のTENTIALの成長の礎になっていると感じます。

MVVの話

先述したミッションに加え、「身体を充電するツールで、生涯を通じて挑戦する人を 支え続ける。」という1stVisionが私たちのすべての行動の指針になっています。そこに加えて「Essential」「Dynamic」「Buddy」という3つのValueが組織の文化として根付いています。例えば新商品の企画やマーケティング戦略、卸先の開拓など、すべての取り組みは、MVVから逆算された行動になっています。形式的なものではなく、本質的に会社のカルチャーとして根付いていることがとても尊く、これからも絶対に変えてはいけないものだなと考えています。

TENTIALの商品開発とは

ここからはTENTIALの商品開発について話します。私たちはファブレスメーカーなので、自社で生産工場を持たない形で商品企画、開発を進めています。現在はFOOT、SLEEP、WORKの3つのカテゴリーで商品展開を行っており、70を超えるアイテムを展開しています。
今でこそ多岐にわたる商品を展開しているTENTIALですが、私たちのファーストプロダクトはインソールでした。その後リカバリーウェアのBAKUNE、リカバリーサンダル、枕やマットレスといった寝具などと拡張していっている訳なのですが、一つのカテゴリーやアイテムに特化する専業メーカーが多い中、これだけのラインナップを広げているのは「身体を充電するツールで挑戦する人を支える」というビジョンを達成するためです。そのためには睡眠や休息の時間だけで充電を促すだけでなく、朝や日中の活動が活発な時間帯においても身体がいい状態になるようにサポートする必要があると考えています。
カテゴリーやアイテムが多岐にわたる中で品質と専門性が高い商品を生み出し続けることは非常に難易度が高いです。例えば現状だけでも、睡眠のメカニズム、足の構造などに関する知識や、アパレル、インソールやサンダル、入浴剤、寝具などアイテムの製造にかかわる知識が必要になります。
24時間、365日の中でできるだけたくさんのタッチポイントを作り、TENTIAL製品に囲まれながら生活をした方々が、健康的で前向きな人生を送っていただき、その結果として社会全体のポテンシャルが引きあがる世の中を作っていくために挑戦しています。

顧客の課題起点という話

TENTIALがターゲットとしているのは「ビジネスアスリート」で、日々生産性や成果を最大化するために尽力しているビジネスパーソンのことをそのように呼んでいます。そのようなお客様が朝起きてから夜寝るまでの間で直面する課題を起点に、機能的でベネフィットの高い商品を企画開発していくことを目標としています。しかし、課題が顕在化しているということはほとんどなく、いわゆる顧客インサイトをどのように掘り起こすかということが非常に重要かつ難しいです。TENTIALでは3つの手法を用いながら顧客インサイトの掘下げを行っています。

1.お客様の課題を洗い出す

朝起きてから夜寝るまでの間に直面する課題を知る上で、一番手っ取り早いのはペルソナの方の24時間に密着させてもらい行動観察をすることです。さすがに実行するためにはハードルが高すぎたため、ペルソナになりうる方のデプスインタビューを行い、朝起きてから夜寝るまでの行動内容、行動の詳細、行動の理由を書きだす行為をすることにしました。まずは社内の人たちに協力を依頼し、その内容を集計分析したうえで、TENTIALのロイヤルユーザーの方にインタビューするという流れです。朝起きてから時間軸に沿って一つ一つの行動の棚卸を行い、お客様がその行動をしている理由や、価値観などが知れるのでインサイト発掘において最も有効的な手段だったなと思っています。例えば、TENTIALがターゲットとしているビジネスアスリートの共通項として、生産性や効率を非常に重視していることもあり、無駄なものや思考を嫌うという価値観が見えてきました。そのうちの多くは清潔感やシンプルな生活を心がけており、冬サンダル開発の際に自宅で洗濯ができる、という機能付加につながったり、ワークウェアの乾燥機対応につなげることができました。直近では、直営店の展開も行っていることもあり、店頭で直接お客様の行動を観察したり、インタビューしたりしながら生の声を聞くようにしています。

2.アスリートの知見を取り入れる

TENTIALは、代表の中西が全国レベルの元アスリートだったこともあり、現役時代アスリートとしてスポーツに打ち込んできた人間が非常に多い会社です(社内に元Jリーガーや、現役のキックボクシングの世界ランカーなどが普通に在籍しています)。一分一秒を争うアスリートは、パフォーマンスを上げるために心身のケアに余念がなく、健康や休息に対しての力の入れ方や投資の仕方がずば抜けています。この知識や経験は、日々の生産性を最大化させたいビジネスパーソンにも活用することができると思っており、アスリートが満足する品質の高さやベネフィットの大きい商品を開発し提供していくことをモットーとしています。今後はこの部分の取組みをさらに強化していく予定です。

3.データを活用する

デジタル領域に強みを持っているTENTIALだからこそデータの活用を積極的に行っています。CRM的観点の分析だけでなく、メディア事業の運営などから蓄積されたノウハウを生かして、あらゆるツールを駆使しながらリサーチをしています。例えば、リカバリーサンダルとセットで検索されているキーワードや、競合のレビューの分析をしている中で、室内履きのニーズや、靴下のまま履きたいというニーズが定量的に可視化することができ、「サンダルは夏に外で裸足で履くもの」、というステレオタイプが覆されたという経験があります。前職ではあまりこういった経験がなかったので、とても学びになった部分です。ただし、デジタルデータに頼る部分と、手触り感をもってお客様の課題と向き合うことのバランスが非常に重要で、どちらか片方だけにならないように意識しながら取り組んでいます。

スピード感のある商品開発

また、スタートアップのTENTIALらしい特徴として、スピード感のある商品開発が上げられます。例えば大手メーカーの場合は、企画~開発~ローンチまでで1年~2年以上かけて行うことがざらです。ただし、マーケットは日々進化しており、人々の行動特性や価値観の移り変わりはすごいスピードで変化している中で、今時点で2年後の夏のマーケットを予想して、ニーズやトレンドに合った商品を精度高く作れ、というのはなかなか難しいオーダーだと思います。TENTIALの場合、代表や役員と同じ空間にいることで企画~開発までの意思決定が早いことや、あらゆるアイテムを生産できる専門性の高い協業パートナーがいることもあり、平均6-8か月くらいの期間で販売まで可能になっています。お客様の声を起点に企画から意思決定が最速で進み、結果としてわずか3か月で商品をローンチできたのは大きな会社ではあり得ないスピード感だったなと思います。

エビデンスの強化

私たちは現在ウェルネス市場に位置していますが、中長期的に向き合っていく市場はヘルスケア市場というビッグマーケットです。国全体や世論としても健康課題による経済損失の大きさや、健康寿命を延ばす潮流などが着目しはじめられていることもあり、ヘルスケア市場全体は盛り上がりを見せていますし、新規参入なども増えている状況です。社会全体の健康に対しての意識があがることは非常に喜ばしいことだと考えている一方で、有象無象に様々な商品が世の中に生み出されており、お客様からしたら何を買えばいいのかわからないという状態になっているかと思います。当社は、ECでの販売が主戦場になるなかでどのようにしてお客様の不安を払しょくすることができるか考えた結果、エビデンスが非常に重要だと考えました。機能性を付加させることはもちろん、明確にベネフィットを感じることができ、さらにそのエビデンスがあるからこそお客様に安心して商品を購入いただけると思っています。
直近では、早稲田大学睡眠研究所所長の西多先生のもと、「リカバリーウェアが睡眠に与える影響」について共同研究を行い、結果として睡眠体験全体を向上することの示唆を出すことができました。
また、リカバリーウェアにおいて一般医療機器の新基準への対応も迅速に行っています。TENTIALのメインプロダクトであるBAKUNEシリーズはすべて新基準への対応ができるように試験などの準備を進めています。組織としてもR&Dのチームを作り、今後さらなる強化をしていきたいと考えています。

前編総括

今回は、TENTIALがどのように商品開発をしているのか、その特徴を私の前職との比較もしながら書いてみました。
TENTIALでは顧客が求めているものを、高い品質で、その裏付けをもって開発することができる環境があります。商品開発を行う上で当たり前の話ではあるのですが、100%実践できている(実践しようとしている)と言い切れる会社は少ないのではないでしょうか?改めてではありますが、商品開発の楽しさ、世の中の人たちの為になっているという実感を持ちながら日々業務ができていることが私にとっては幸せに感じます!
次回は、TENTIALの商品開発の歴史と、これから取り組んでいきたいことについて書いていきますので、ぜひまた読んでいただけると嬉しいです。
さいごに! ここまでお読みいただき、ありがとうございます。 現在TENTIALでは全社的にカジュアル面談を実施しておりますので、少しでも気になった方はお気軽にお問い合わせください!

それでは!