直営店舗立ち上げの裏側:TENTIALはなぜリアルの接点を大切にしオフライン店舗を拡大するのか
皆様、こんにちは!
株式会社TENTIALのHR責任者の塩野清雅(しおのせいが)です!(@SeigaShiono613)
TENTIALは、2023年の6月30日に直営店の5店舗目となる「TENTIAL 虎ノ門ヒルズ」をオープンしました。2022年5月に1店舗目の「TENTIAL 新丸ビル」をオープンしてからPOPUP型店舗を含めると約1年間で合計8店舗オープンとなります。
新型コロナウイルスが流行し、百貨店やショッピングモールの全体の売上が下がっている中、どのように直営店舗を立ち上げ拡大したのか、オンライン中心で販売をしているブランドがなぜ直営店舗を拡大のするのかなど当時の立ち上げフェーズでオフライン部門の責任者をやっていた私から少しでもナレッジシェアができたらと思い執筆させていただきました!
また、TENTIALではより一層事業を拡大すべく全方向で採用募集をしておりますので、少しでも興味があれば是非お話をしましょう!
直営店舗立ち上げの背景
TENTIALブランドはインソールやリカバリーウェアなどの商品を展開しており、オンライン中心に販売をしています。オフラインの店舗に関しては2022年3月時点では一部の販売パートナーさんと一緒にお取り組みをさせていただいて一部の商品のみ展開をしている状態だったのですが、きっかけはDailyでCSチームから上がってくるお客様の声のレポートでした。そのレポートの中に「商品を実際に触ってみたい」、「商品を試着したい」、「商品を比較したい」などオフラインの店舗で解決できる内容が多くあり、そこで改めて直近3ヶ月分のお客様レポートを全て読んでみると全体の約4割を占めていることがわかりました。ただ、当時はまだオフラインでの実績がほとんどなかったので販売パートナーの拡大や商品数の拡大にはかなり時間がかかってしまうという課題がありました。そこで、全て1から構築できる直営店舗を3ヶ月後にオープンしようという意思決定をしたのですが、その時はまだ私も含め社内では「直営店舗はなんとなくいつかはやった方がいいと思うけどやるとどんな効果があるの?」、「今のフェーズで黒字化できるのか?」、「そもそも直営店舗ってどうやってオープンするの?」という状態でしたw
TENTIALが直営店舗をやる理由
直営店舗はもちろん売上促進が1番重要であると考えていますが、それ以外にもブランドにとって様々な効果をもたらしてくれると考えています。
1つ目は、お客様のニーズを素早く把握し商品開発に活かせるという点です。当社はお客様からのFB、顕在 / 潜在ニーズから既存商品の改善や新商品開発をリードタイムを短くし可能な限りスピーディーに進行し、商品数を拡大しています。それらを実行するためにはお客様がどのような課題を持っていて、どのような点を気にして商品を購入しているのかを素早く把握する必要があります。そういった一次情報を取得するために直営店舗と連携をし、スタッフさんから毎日送られてくる日報では基本情報はもちろんのこと、より具体的なお客様の会話やその時の反応など細かく記載しています。また、商品開発チームやマーケティングチームが実際に店頭に立って接客を行い、お客様に対しての解像度を上げて普段の業務とのギャップを減らす取り組みも行なっています。
2つ目はお客様の製品理解の深化です。当社の商品群は高機能性を特徴としていますが、その全てをECページやPOPだけを通じて完全に理解していただくことは困難な場合があります。それに対し、直営店舗では、商品の特性を深く把握したスタッフが直接接客を行うことで、顧客は商品の機能性をより深く理解することが可能となります。これによりリピート購入率を上げるだけでなく、ブランドに対するロイヤリティを高める効果も期待できます。
3つ目は、ギフト需要への適用です。大変ありがたいことですが当社の商品はギフトとしてお選びいただくお客様が非常に多いです。その際、昨今の日本でもEC比率が高まっているもののまだまだ店舗での購入が圧倒的に多いです。また、当社の場合は大半の商品がサイズ選びが必要になるので実際に見て、店舗のスタッフに相談をしながら決めたいという人がとても多いです。結果として直営店舗ではギフト比率がECよりも高く、ギフトシーズンでは通常月より高い売上を記録することができています。
4つ目は、ブランドとしての認知です。当社はウェルネスブランドとして様々なカテゴリーの商品を展開しています。しかしどうしてもオンライン上での認知や流入の場合、各商品ページのみで完結してしまうケースが多々あります。ただ、直営店舗の場合はたとえ1商品の認知で来店したお客様でも必ず他の商品も認知してもらえます。そこからクロスセルが生まれるのはもちろんのこと、お客様のブランドへの印象を睡眠のブランド、インソールのブランドからウェルネスブランドとして認識していただくことができています。またそれ以外にもブランドの広告としての効果もあると考えています。渋谷パルコ店、新丸ビル店、阪急梅田店ではエスカレーター前に店舗を構えることでロゴやカラー、店舗内装からブランドの認知を獲得することもできる考えています。できるだけ多くのタッチポイントを作りブランド認知をしてもらえるような場所に店舗を構え、マーケティング施策にもより高い効果をもたらしています。
今回4つをピックアップしましたが、もちろんこれ以外にも直営店舗をやる理由はあると考えています。ただ1番は社内メンバーが直営店舗は会社にとってお客様と接点が持てる貴重な場所であるという共通認識を持ってもらい、多くのアイディアを回収しより良い製品開発から販売までの一連の顧客体験を作ることが重要だと感じています。
直営店舗立ち上げ - 拡大
上記にもあるように直営店舗オープン~黒字化~拡大までの流れやベンチマーク企業の店舗拡大ナレッジ等はすぐにキャッチアップすることはできましたが、当時まだオフライン店舗の売上拡大の可能性を証明するエビデンスもなく、全社リソースも限られている状態だったので最初からコストをかけてリスクを取ることはできず、当社では検証フェーズから段階を踏みリスクを減らしながら拡大をしていくロードマップを引きました。
初期検証期~立ち上げ期
1店舗目をオープンするにあたり様々なリスク要因を洗い出し最悪のケースで試算を行い、出店契約も可能な限り短い期間で出店できるように調整をし、内装費も抑え什器の組み立ても自分達で行うことで初期コストを減らして最悪のケースでの赤字幅を最小限になるようオープンの準備をしました。ただ、想定している売上を上回る可能性もあったため最初の1~2週間の売上を見てすぐに延長を打診できるようにデベロッパーの方と細かくコミュニケーションや調整も同時に行ってました。そして、無事オープンを迎え、想定を上回る初月売上を記録することができ、すぐに出店期間の延長も決まり、コストを抑えていた内装や什器のリニューアルも行いました。また、1店舗目のオープン前からチーム内では黒字化できた場合すぐに他のテナントへの出店を進められるように2店舗目以降の出店準備も同時並行で進めていました。リスクを最小限にしながらも垂直的に立ち上げられるように二の矢、三の矢を仕込んでおくことで1店舗目オープンから止まることなく連続的に店舗をオープンすることができました。
第一拡大期
立ち上げ期では直営店舗 / POPUPを関東中心にオープンし、様々な検証をすることができました。そこから全国への店舗拡大するための準備として出店候補先を洗い出し、検証から導いた出店条件項目を点数化し出店候補先のランク付けを行い優先度の整理を始め、検証から当社の直営店舗出店条件として①人口、②駅乗降者数の二つが現フェーズでは最も重要であると仮説を立てました。
①人口
直営店舗来店者の8割がオンラインで認知をして店舗へ来店していることがわかりました。また当社のオンライン会員の都道府県比率と人口比率がほとんど一緒のため、人口が多い都市ほど既存会員も多く、会員への登録率も地方と都心部での偏りがないと考えると、人口が多い都市の方がブランド認知者数も多いことになります。
②駅乗降者数
①で認知者数の次に重要なのが認知からの来店率です。オンラインで認知をして来店へ誘導をする施策を仕込むことももちろん効果的ですが、1番はシンプルに自宅から行きやすい場所に店舗があるか、アクセスが良いかという点です。その指標に関しては駅乗降者が多く、駅の路線数が多いという条件に絞りました。
これ以外にも来館者数や客単価の指標も必ず見ますがそれらがどんなに良くても上記の人口と駅乗降者数が少ない場所には第一拡大期では出店しないという意思決定をし、今店舗展開をしている大阪の梅田阪急と名古屋の大名古屋ビルディングに出店を進めることにしました。
これからについて
現状、東京、大阪、名古屋に直営店舗があります。ですがまだ第一拡大期に入ったばかりです。これからの1年で①第一拡大フェーズを完了させる。②旗艦店舗オープンの2つに取り組もうと考えています。
(直営店舗のこれからについて第二段のnoteでより詳しく書きますのでお楽しみに!)
最後に
TENTIALでは、直営店舗拡大推進メンバーも含む、全方位的にメンバーを募集しております!!!!少しでも興味がある方はカジュアルな形でも全く問題ないのでお話しさせてください!
また、D2C / ブランド事業を行っている方でもう少しオフラインや直営店舗の詳細を聞きたい!という方がいらっしゃいましたら遠慮なくご連絡ください!!!
(Twitterも再度貼っておきます)
自分自身も直営店舗を立ち上げる際に様々な人にヒアリングや相談をさせていただいたのでもしお力になれる部分があれば協力させていただきたいです!