アスリートとの共創で「コンディショニング」を世の中へ届ける、TENTIALのアスリートリレーションとは
アスリートとの“共創”。アスリートの知見や最新の技術・研究を生かしたプロダクト作りを進めてきたTENTIALが、創業期から大切にしてきたテーマです。
この「TENTIAL×アスリート」の取り組みは年々加速し続けています。共創パートナーとして関わっていただいたアスリートの方々は1000人を超えました。
「コンディショニングサポート契約」を通じてご一緒する個人やチームも少しずつ増えてきています。2024年に入ってからも卓球の平野美宇選手、プロ野球選手の和田毅投手、メジャーリーガーの今永昇太投手との取り組みを発表しました。
そんなアスリートの方々とTENTIALとの関係性を深める役割を担っているのが、事業推進部内の「アスリートリレーションチーム」です。今回のnoteではアスリートリレーションチームの仕事にスポットライトを当てながら、TENTIAL×アスリートの取り組みを紹介します。
スタートアップのTENTIALがトップアスリートの方々とどのように関係性を築いてきたのか。Buddy(TENTIALで働く従業員)がどのような想いで仕事をしているのか。現場で働く2人に話を聞きました。
TENTIALの「アスリートリレーション」とは
TENTIALは「コンディショニングブランド」を打ち出しているように、自社製品を通じて「日常生活からコンディショニングをサポートすること」に取り組んできました。
アスリートリレーションチームの役割は、まさにコンディショニングを体現している存在であるアスリートの方々とTENTIALとの橋渡しをすることです。
アスリートにしっかりと寄り添い、ポテンシャルを発揮できるようにコンディショニングのサポートをする。その結果としてTENTIALに共感いただいた方や、自身の経験や知見を社会に還元したいと考えてくださった方が、さまざまな形でTENTIALに関わってくださるようになっています。
コンディショニングサポート契約はその関わり方の1つです。いわゆる“スポンサー契約”に近い座組みではあるものの、一般的なスポンサー契約を超えて、TENTIALならではの価値を踏まえた「企業×アスリートの新しい取り組み」を目指して試行錯誤を続けています。
また1000人以上のアスリートの方々と関わる中で、会社としてのアスリートへの寄り添い方や共創の枠組みを考えるのもアスリートリレーションチームの仕事です。
ここからはアスリートリレーションチームで働く八木と新村へのインタビューを通じて、その取り組みを掘り下げていきます。
“TENTIALならでは”の新しいスポンサー契約のかたち
── まずは八木さんから現在の取り組みについてお話いただけますでしょうか。
八木 : 私が担当しているのは、アスリート個人やチームとのコンディショニングサポート契約に関する業務になります。選手個人だけではなく選手をサポートしているマネジメント会社などの方々と一緒に、「アスリートとTENTIALが5年後、10年後に目指しているビジョンや目標」を丁寧に擦り合わせながら、関係性を築いていくことが仕事です。
世の中には著名なブランドを筆頭にさまざまなスポーツブランドが存在することもあり、「アスリートファースト」を大前提としながら、あえてTENTIALと一緒にやるからこそ実現できる価値や独自性を追求していくことが重要だと考えています。
その上で選手の近いところにいながら、選手のビジョンや目標を一緒になって考える存在でありたいというのが個人的な想いです。
社内においては、言わば「TENTIALが考えるコンディショニングに共感し、その体現者として一緒に推進していただけるようなアスリート」との関係を構築することが私の大きなミッションだと思っています。
── 日々の業務としては、いわゆる「営業」や「企画」などの要素が大きいのでしょうか。
八木 : そうですね。個々の選手に合わせた取り組みを考えて提案することや、金額などの詳細を含めて契約時の内容を交渉することなどは、営業(商談)や企画に近いのかもしれません。
大切なのはTENTIALの製品が本当にアスリートのためになるのか、喜んで使っていただけるのか、そもそもTENTIALと一緒に何かやりたいと思っていただけるのかといったところだと思っています。
── 直近では新たに今永選手とのコンディショニングサポート契約が発表されました。こちらも八木さんが時間をかけて取り組まれてきたと聞いています。
八木 : 先ほどもお伝えしたとおり、トップアスリートの場合は選手個人がOKであればそれで良いというわけではないんです。選手に寄り添っているマネジメント会社の方を含めた関係者との関係性も、選手と同じくらい大切にする必要があります。
今永選手とコンディショニングサポート契約を締結するにあたっても、選手本人だけではなく、マネジメント会社の方と何度も顔を合わせながら、会話や議論を重ねてきました。
やっぱり単に「お金ありきのスポンサー契約、お金だけのスポンサー契約」にはしたくなくて。
そのためにもまずは会社として、私個人として「アスリートのことを本気で大切にしている」ことを示していく必要がありますし、そもそも信頼できる人間だと思っていただく必要があります。お互いにとって最適な共創のかたちを模索していく上では、TENTIALのことを知っていただくことと同時に、先方の活動や想いをきちんと理解することも不可欠です。
特にトップアスリートの方にはナショナルブランドなどもスポンサーの選択肢に入ってくる中で、最終的にTENTIALを選んでいただく必要があります。その際には品質を含めた製品の強さはもちろん重要ですが、それだけではない気もしているんです。
TENTIALの製品やビジョンに対する共感、私たちの選手への想いの強さ、担当者との人間関係などさまざまな要素も関わってくる。だからこそ一つひとつの行動は地道で泥臭いかもしれませんが、それを積み重ねていくことが次につながっていくと考えています。
実際に金銭面だけではなく、TENTIALのアスリートに対する向き合い方や実現したい未来、共創の可能性などに期待いただき、契約に至っているケースも多いです。
共創するアスリートの裾野を広げる
── 新村さんの取り組みは、八木さんとは少し異なるアプローチになりますね。
新村 : 私の場合は「TENTIALと共創するアスリートの裾野を広げる」ような役割です。
主な業務は連携いただくアスリートのネットワークを広げることと、すでに関係性のあるアスリートの方と各事業部のメンバーの橋渡しをしながら共創を進めること。TENTIALの製品を実際に試していただいてフィードバックをもらったり、満足いただけるものであれば一緒に世の中に広げていただいたりといった取り組みがわかりやすいかと思います。
紹介などをきっかけにアスリート側から連絡をいただくことも少しずつ増えてきてはいるものの、現在も継続的にアスリートの方へ直接アプローチをしています。
もちろん全ての連絡にご返答いただけるわけではなく、返答率はだいたい2割程度です。それでも事業の成長とともに、時間をかけて取り組んできた活動がだんだんと成果に結びつき始めている状況で、今後も改善を続けていきたいと考えています。
── 例えば新村さん自身の関わりが深いバレーボール領域では、入社1カ月で数十人の選手との繋がりができたそうですね。製品のサンプリングのために地方の合宿所まで行かれたとか。
新村 : 私が入社した当時、バレーボール選手でつながりがあったのは1人だけでしたが、現在は115人まで広がりました。最近はありがたいことに紹介や口コミなどをきっかけに、ご連絡いただくことも増えています。
私自身、以前はアナリストとしてバレーボール女子日本代表チームに携わっていたこともあり、少しでも代表選手のパフォーマンス向上に役立てたらという老婆心のような想いもありました。
そこで監督やスタッフにTENTIALとして何かご一緒できないか相談したところ「製品を合宿所に持ってきてもらえるのであれば、サンプリングなどにも協力できる」とおっしゃっていただいて。それならぜひお願いしますと鹿児島の合宿へお邪魔して、製品を試していただいたんです。
アスリートの方々も「自身のパフォーマンスを上げることに繋がるのであれば、できる限りのことをやりたい」という想いが強いです。実際にTENTIALの製品を試した上で喜んでもらえたのは嬉しかったですし、そこからTENTIALのファンになって他の製品も愛用してくれる選手もいて、紹介できて良かったなと思いました。
なぜ大手スポーツブランドではなく、TENTIALなのか
── アスリートの方々は一般の方以上に普段からコンディショニングに気を配られていると思います。いくつかの選択肢がある中でなぜTENTIALの製品が選ばれているのでしょうか。
新村 : 私が聞く声として多いのは「(リカバリーウェアなど衣類の)着心地が良い」ということですね。例えばリカバリーウェアだけでも複数の種類があって、自分に合ったものを選べるし、着心地が良くてぐっすり眠れたというフィードバックをいただきます。
もちろんエビデンスなども大切なのですが、個人のアスリートの方々からは本能的な部分で製品を気に入っていただけていることが多いように感じます。
私自身も自分が良いと思った製品を紹介したいですし、だからこそ自信を持って紹介できる。ある選手から「新村さんが良い製品だと言っているから、私も周りの選手に良いと言っています」と言われて、改めてその大切さを感じました。
八木 : 私も同感です。実はTENTIALに入る前は半信半疑の部分もあって、2着だけですが自分で購入してみたんです。
実際に使ってみて感じたのが、「これめちゃくちゃ良いじゃん」と。私もずっと野球を続けていて多少なりともコンディショニングにはこだわってきましたが、この製品であれば自分でも使いたいし、何よりチャレンジしているアスリートの方々にも響くなと思ったんです。
アスリートであっても睡眠中のウェアについてはそこまで試せていないという人もいて、実際にお渡しした時の反響は大きいですね。
── 確かに自分が使って良かったから、という方が説得力もありますよね。
八木 : 「製品力が強い」というのは色々な方と接していても感じます。
TENTIALの製品は愛用いただいているアスリートの方々の紹介や口コミで広がっていくことも多いですし、ギフトとしてのニーズも高いんです。アスリートにご家族や友人へのプレゼント用として購入いただいたり、ゴルフコンペの景品として選んだいただいたりすることもあります。
── 製品という軸では、お二人のお話にもあったように“競合”になりうるブランドやメーカーがいくつも存在しますよね。歴史の浅いTENTIALが入っていく中では難しい側面もあるのではないでしょうか。
八木 : まさにトップアスリートであれば、すでに大手ブランドがスポンサーについているケースも多いです。それらのブランドとも比較される中で「いかに選んでもらうか」というところは簡単ではありませんし、大変です。先方のところへ足繁く通ったからといって、必ずしも成果に結びつくわけでもありません。
特にコンディショニングサポート契約の場合は基本的に1〜2カ月の短期間で勝負をするような性質のものではないため、今やっていることが実を結ぶかどうかもわからない。でも逆にそれがこの仕事の面白さでもあり、辛抱強くやり続けた結果としてトップアスリートとTENTIALの共創が実現した際には達成感も大きいです。
新村 : そもそも活躍しているアスリートほど時間が限られているので、「自分が知らないような会社」からの連絡に対して、どうすれば興味を持ってもらえるのか。そこはすごく難しいですし、もっと工夫や改善をしなければならないと現在でも感じています。
アスリートリレーションを支えるメンバーの想い
── お二人はTENTIALに入社する以前から、現在とは別のかたちでアスリートの方々に関わってこられました。改めて今の仕事に対する想いや、モチベーションの源泉を伺えますでしょうか。
新村 : 高校3年生の時、「アスリートを支える仕事につくこと」を将来の夢として掲げたんです。それまではずっと将来の夢がなかったのですが、高校2年生でバレーボールと出会って。ただ自分が選手として活躍することは難しいと感じたので、別のかたちでバレーに携われないかと考え、紆余曲折を経てアナリストの道を進むことに決めました。
バレーのアナリストとしては「やりきった」と感じたこともあり、前職ではスポーツとは関わりのないWebシステムの会社で働いていたんです。でもだんだんと「自分はスポーツにしか携わってこなかったのだから、その経験を活かしてスポーツに関わる仕事をしたい」と思うようになっていきました。その時に出会ったのがTENTIALであり、アスリートリレーションの仕事でした。
少しおこがましいかもしれませんが、私としては再びアスリートを支える仕事ができていることに対する喜びが大きいです。
またTENTIALは「身体を充電できるツール」を手がけている会社ですが、これまでの枠組みにとどまらない新たな取り組みができると考えています。例えば睡眠であればその知識や考え方などを広げるといったように、ハードだけではなく、ソフトの面からもできることがあるんじゃないかなって。
自分には到底できないことをやられているからこそ、昔からアスリートとして活躍する選手に対しては憧れや尊敬の念を抱いてきましたし、それは今でも全く変わりません。そんなアスリートを支える仕事をしながら、一緒に「コンディショニング」を世の中へ発信することにも挑戦できるのは、本当に嬉しいです。
── 八木さんは「メディア」という立場から、スポーツやアスリートと関わってこられた中でTENTIALに入社されました。
八木 : 私の場合は前職のテレビ局時代にスポーツ局に在籍していて、ワールドカップやオリンピックなどの中継業務に携わったり、スポーツ記者としてアスリートの取材をしたりしていました。新村さんと同じようにアスリートの方々と働けること、アスリートの方々から喜んでいただけることは嬉しいですし、TENTIALで働くモチベーションの1つにもなっています。
ただ前職を離れて次のキャリアを考える際に、実はそこまでスポーツやコンディショニングの領域にこだわっていたわけではなかった。むしろいくつかの会社と出会う中で、TENTIALのチャレンジに共感した部分が大きかったんです。
代表の中西さんは以前から「ナイキを超えるような会社を作りたい」という話をしていました。簡単には達成できない、それこそスタートアップがゼロから取り組むには数年とか数十年の時間がかかるような高い目標ですよね。
中西さんや当時の事業本部長の三浦さん(現在は社長室 副室長)と話をする中で本気で大きなチャレンジをしようとしていることが伝わってきて、その志や熱量に共感しました。だからその高い目標に向けて本気で取り組めること自体もそうですし、目標を達成するためにももっと会社を大きくしたいという想いが日々の情熱にも繋がっています。
── 新村さんからはアスリートに対する尊敬の念というお話もありましたが、八木さんは普段アスリートの方々と関わる中で、どのようなことを大切にされていますか。
八木 : 自分の中では、ある意味「第二のマネージャー」のような感覚を持ちながら働いています。トップアスリートとなれば正式なマネージャーの方が付いていらっしゃるのですが、アスリートのビジョンや未来に寄り添うという観点では、自分も同じような心構えで仕事をする必要がありますから。
アスリートの「コミュニティ」を作りたい
── アスリートリレーションの取り組みは、今後さらにダイナミックになっていくと思います。最後にこれからのチャレンジについても伺えますでしょうか。
八木 : アスリートの方々と一緒に、他のメーカーやブランドがやっていないような取り組みに挑戦したいという想いが強いです。先ほどもお話ししたとおり、まさにコンディショニングサポート契約の中でも、TENTIAL×アスリートだからこそできる独自の取り組みを試行錯誤している真っ只中なので。
またこれは個人の考えですが、スポーツと一口に言ってもたくさんの競技があり、それぞれで特性や求められるものも異なります。ゆくゆくはTENTIALとしても競技ごとにスペシャリストの担当者が就いて、今まで以上にアスリートに寄り添えるような体制ができれば良いのではないかと思っています。
── ありがとうございます、確かにアスリートリレーションチームとしての発展も楽しみですよね。新村さんはいかがでしょうか。今まさに準備を進められている取り組みもあるとか。
新村 : 具体的な部分はまだ固まっていないのですが、アスリートのコミュニティを作りたいと思っているんです。例えばアスリートになりたての人や競技を頑張り始めたばかりの人でも、コンディショニングの重要性に気づけて、具体的な知見も深められるようなコミュニティがあると良いのではないかなと。
── 「ハードだけではなくソフトも」というお話もありましたが、まさにそこにも繋がってきそうですね。
新村 : 栄養士や睡眠の専門家のセミナーが用意されていたり、アスリート同士で知見を交換しあったり。あくまでイメージですけど、やれることは多いだろうなと思っています。
これまでTENTIALではたくさんのアスリートの方々と関わってきました。ただコンディショニングサポート契約を締結している方などを除くと、「特別な契約を結んでいるわけではなく、製品を活用いただき、(フィードバックやアンケートなど)それに関してご協力をいただく」という関わり方が多いんです。
もちろんそれはありがたいことなのですが、それだけではアスリートに「点」でしか向き合えていないような感覚もあって。TENTIALに共感してくださった方々との関わり方を「線」にして、今まで以上にポテンシャルやコンディショニングを支えていく上でも、コミュニティを通じて一緒に取り組んでいきたいと考えています。
TENTIAL×アスリートに関しては代表の中西もnoteを書いています
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