育休のすすめ 〜事業本部長が2ヶ月の育休期間で感じたこと〜
社長室 副室長の三浦さんが、2023年12月から2024年1月末までの2ヶ月間、育休を取得していました。2月1日の復帰時、社内向けのNotionに「育休期間に感じたこと」をまとめて共有してくれました。とても参考になる内容でしたので、今回は公開用に少しアップデートした内容をこちらのnoteで紹介します。
育休取得への葛藤
2023年12月1日~2024年1月31日の2か月間、ありがたいことに育休を取得することができました。私自身初体験でしたが、この時にしか味わえない感情や育休というものがどういうものであったかを記載しておこうと思います。
2023年3月に妻の妊娠がわかり、胎動確認後、5月頃に会社に報告をしました。私自身は当時ウェルネス事業本部の本部長という責務でしたので、当初は「育休」を取るべきか迷っておりました。中西さんからは「ぜひ取得してください!」と背中を押していただいたものの、正直、内面では葛藤がありました。
スタートアップの業界は非常に変化が激しいです。「育休取得後に実際に自分の役割や業務ってあるのだろうか?」「本部長の立場で本当にとって大丈夫なのだろうか?」といった、業務的な面でずっと悩んでおりました。
そんな中で育休を決めた一番の理由は、「育児に積極的に参加したい」という想いが強かったことです。妊娠まで様々な苦労があり、夫婦念願であったことも背景にありました。
幸い、育休取得者に前例があったことで、育休に関する制度が既に整えられていました。詳しくは下記記事をご覧ください。
過去に執行役員CTOの市來さんも育休を取得した経験談をまとめています。
育休取得前にどんな準備をしたか?
育休取得を決断したことで、12月の取得に向けて下記をまず実施しました。
実際に自分自身の業務の棚卸をしたら、本当に作業等に使える時間は少なく、改めて時間の使い方をコントロールする必要があることが明確になった点も良かったです。50名弱の組織だと日常的に様々な問題・課題が発生する為、突発的な対応も非常に多かったです。
引継ぎ先を決めて、引継ぎ書類は準備したものの、やはり仕事は生物(なまもの)ですので、完璧は難しく、発生ベースで相談に応じる形にした内容もありました。
今回は私自身は役職者ではあったので、引き継ぐ時に意識した点は「役職の職責部分と心構え」「自分自身の経験則」をしっかりと伝えることです。私の役割を引き継ぐというよりは、引継いだBuddyが自分自身の意志で組織やチームを運営していくことが重要だという考えに至ったからです。
実際11月末までには細かい業務も含めて書類と会話で引継ぎをしました。育休に入ってからはどうしても確認が必要な話がいくつか出てくると思ったので、その際は遠慮なく相談して」という体制をとっていたので、12月2週目以降は落ち着いて休みに入ることができました。
育休中の生活はどうだったか?
私は規則正しい毎日を過ごしており、育休前から基本早寝早起きだった為、生活リズムの大きな変化はありませんでした。以下に大まかな流れを記載してますが、大体このような感じで一日が流れていきました。
<1日の生活リズム>
沐浴は1か月程度で夜一緒にお風呂入る形に変わり、ご飯づくりは妻と分担しながら対応していました。夜は大体2~3時間置きに赤ちゃんが起きるので、その度に起きてなだめたり、ミルクを上げたり、妻と会話をしたりして過ごしました。犬がいる分ちょっと家が騒がしかった部分はありました。
育休中に感じた妻の身体への負担
こちらの画像は左が「母乳をあげた時間と量」、右が「排泄の数」になります。見ていただくとわかるのですが、女性は毎日3時間ほど母乳を赤ちゃんにあげており、新生児だと1日10回以上排泄をするので同数以上のオムツ交換が必要となります。特に夜間は3~4回程度授乳が必要なので、母乳を上げる時間を考慮すると、なかなか熟睡ができないので、疲労が抜けないのが悩みになります。
授乳しないとしこりができ、乳腺炎に繋がる恐れもある為、授乳を継続したいという妻の意向もあり、私は本当に夜の時間帯は無力でした。
また、妻はTENTIAL製品だとMIGARUのワンピースを気に入っていたのですが、子供が産まれてからは着用しなくなりました。当初の理由は「もったいない」と言っていたのですが、もう少し深く聞くと「家から外に出ないし、授乳しやすい服が一番良い」というのが本当の理由でした。
TENTIALのウェアは産後のママさんにも推奨はできるのですが、授乳できるタイプがあれば購入してプレゼントできると思ったので、産後の妻に旦那さんがプレゼントできるようなウェアも開発したいという気持ちです。
■育休中の仕事との向き合い方とメンタル面について
私自身、本部長だった立場ということもあり、育休による影響範囲は大きかったと思います。事前にできる限り引継ぎをしていましたが、育休をはじめて2週間は時々Slackに現れていました。下の画像は育休取得不安のベスト3と言われているものですが、私は特に「復帰後の仕事への影響」を気にしていました。
前にも書いた通り育休取得前から懸念していましたが、「スタートアップ企業のスピード感」についていけるかの不安はありました。
たまにSlackを眺めると新しいルールやガラッと変わる組織体制の話もあり、どうしてもそこについていけない自分に「劣等感」や「不安」みたいなものは拭えないし、今皆さんが一生懸命進めている物事に対し、横から何か言うのも違うなと思い、見ないようにして切り替えたりしていました。
一定以上の役職者の方の場合、このような気持ちの葛藤は起きてしまうと思うので、上手に気分転換したりすることが大事だと思います。
逆にとてもありがたかったのは「上長でもある代表取締役CEOの中西さんとの1on1」でした。隔週で30分程度お話をしていたのですが、会社の状況や物事の進捗、組織変更に関して等も丁寧に教えてくれて、私自身の役割についても色々とアイデアを頂いたので、うまく心の折り合いをつけられたと思います。
また、会社の情報収集目的で、同じ本部長という役職で良き理解者であった執行役員CROの舟山さんや、壁打ち相談の依頼に乗りつつ、社内状況を教えてくれた相川さんと定期的に1on1を行っていました。大変有意義で、少しでも会社の現状をインプットできたことで安心できました。
復帰1週間前にはランダムに5名ほど選び、1on1をお願いしました。それぞれの目線での言葉を頂けたので、モチベーションをあげることができました。
■育休取得する人へぜひやってあげてほしいフォロー
私自身が感じた主観もありますが、以下のフォローがあるととても安心すると思うので、参考にしてみて頂ければと思います。
現場から離れていても、会社は動いている状態なので、育休期間中はどうしても「疎外感」を感じてしまうものです。その際に有効なのは会社の現況を知ることであったり、未来の役割に関してディスカッションをすることだったりします。もちろん、安心して業務を引き継げる方がいる組織になっていることも重要だと思います。
幸い私は、中西さんとの1on1でフォローアップや復帰後のミッションについてお話しできた点と、本部長業務を岩松さんに、事業推進周り全般は藤田さんに引き継ぐことができたので、育休中に稼働はそこまでせずに済みました。改めて感謝してますし、本当に助かりました!
■最後に
「育休取得してみてどうでしたか?」という質問をされたら、私自身「本当に有意義で貴重な時間を過ごすことができたので、取らせて頂いた会社と皆さんのサポートに感謝しています」と答えます。
正直赤ちゃんはとてつもなく可愛いですし、そんな我が子の一番最初の成長過程を家族一丸で向き合える時間を頂けたことが本当に嬉しかったです。私が不在で、判断に困ったり、調整事項が増えてしまったこともあったかと思いますが、会社としても目標を上回るほど好調に推移していると聞いています。
今後、皆様も育休を取得する機会があると思いますが、誰かが育休をとったとしてもカバーできる組織、またカバーし合える関係性を組織でしっかり作ることが未来の会社の成長にも繋がると思います。
男性の育休取得率はまだまだ低く、取得事例も少ないですが、私の経験談が少しでも後押しになれば幸いです。